2019年1月にUQコミュニケーションズから、WiMAXの最新ルーター「Speed Wi-Fi NEXT W06」が発売されました。
最大通信速度は1.2Gbpsと非常に速く、ポケットWiFiながら1Gbps以上の通信速度を実現しています。
さらにW06では旧モデルとは違う大きな変更点がありました。
それは今まであった「クレードル」がなくなったことです。
クレードルの簡単な説明
クレードルはモバイルルーターを置いて充電できる「置き台」のことです。
充電できるほかに、LANポートも付いているので、モバイルルーターを有線LANケーブルで端末に接続できるようになります。
この記事ではW06のクレードルがなくなった理由やクレードルなしで有線接続する方法、旧モデルのクレードルが代わりとして使えるかを解説します。
この記事の目次
W06にクレードルがなくなった2つの理由
W06にクレードルがなくなった理由は大きく2つあります。
- W06本体にアンテナが搭載されている
- LANケーブルで有線接続することが少なくなった
W06本体の性能があがったから
クレードルを利用するメリットの1つが「LANケーブルで有線接続することによって、通信が安定して通信速度が上がる」という点です。
しかし、W06ではクレードルがなくても「Wi-Fi TXビームフォーミング」という機能が搭載されているので、旧モデルと比較して20%受信感度が上がっています。
ビームフォーミングって何?
ビームフォーミングは、通常は360度に広がっている電波を、ビームのように束ねて端末に飛ばすことで通信速度をあげる通信技術です。
「WX05」はクレードルがないとビームフォーミングが使えませんが、W06はルーター単体でビームフォーミングが可能です。
クレードルでわざわざ有線LAN接続しなくても、WiFi(無線LAN)で通信速度が上がり繋がりやすくなっているので、クレードルは必要ないというわけです。
LANケーブルで接続することが少なくなった
クレードルを使う大きなメリットの1つが、LANケーブルで有線接続できる点です。
基本的に、LANケーブルで有線接続したほうが無線より通信が安定して通信速度が速くなります。
しかし最近の端末はLANポート自体がついておらず、LANケーブルで接続すること自体が少なくなっています。
スマホやタブレット、携帯ゲーム機にはもともとLANポートがついていませんし、ノートPCもアップルのMacBookをはじめLANポートがないモデルが増えています。
持ち運びする端末は、端末を薄く軽量にして携帯性を高めていますが、LANポートを取り付けるには、端末にある程度の厚みが必要になります。
端末の小型化が進んでいるなかでは、大きめなLANポートは相性が悪く、使われない傾向にあります。
さらにWiFi(無線LAN)が普及して、LANケーブルがなくてもインターネットに簡単に接続できるようになったことも大きな要因ですね。
しかし、W06は全く有線接続できないわけではありません。
次にW06をANケーブル以外で有線接続する方法を解説します。
W06をLANケーブル以外で有線接続する方法
W06はUSBケーブルを使えば簡単に有線接続で、インターネットを利用できます。
W06をUSBケーブルで接続した場合の最大通信速度は1.2Gbpsと非常に高速です。
WiFi接続時の最大通信速度は867Mbpsなので、USBで有線接続したほうが高速になります。
実はUSBケーブルを使った有線接続は「W06」より前のモデルでもできます。
わたしは「W04」の時から、USBケーブルを使ってデスクトップPCと有線接続しています。
これにはデスクトップパソコンにWiFi機能がついていなかったので、USB接続しないとインターネットができなかったという事情があります。
しかし有線接続のほうが通信が安定して通信速度も上がりますし、同時に充電もできるので便利です。
USBケーブルで有線接続すれば「通信が安定する」「充電できる」というクレードルの役割を果たしてくれます。
「絶対にLANケーブルでの有線接続が必要」でなければ、特にクレードルは必要ないでしょう。
付属のUSBケーブルは、1.2Gbpsの速度に対応していないので注意
最大通信速度1.2GbpsのW06ですが、付属しているUSBケーブルは1.2Gbpsの速度に対応していないので注意しましょう。
W06に付属しているケーブルは「USB2.0 Type-Cケーブル」なので、転送速度は480Mbpsになります。
W06を最速で利用したいなら転送速度5Gbpsの「USB3.0 Type-Cケーブル」が必要です。
- USB2.0:転送速度480Mbps
- USB3.0:転送速度5Gbps(5120Mbps)
USBケーブルだけでなく、接続するPCもUSB3.0に対応していないと転送速度は480Mbpsになります。
USB3.0はUSBポートの端子が青色になっていることが多いので、ひと目でわかるはずです。
ただしW06の最大通信速度がでるのは、東京都と埼玉の一部のエリアだけで、WiMAXとau LTE回線を同時に利用しなければいけないなどの条件もクリアする必要があります。
実測値ではそこまでの数値はでないので「少しでも通信速度を上げたい」という方以外は、あまり気にする必要はないです。
WiMAXルーターの旧モデルのUSBケーブルは使える?
WiMAXの旧モデルのUSBケーブルが使えるのかW06でも使えるか調べてみました。
W06と同じ「USB Type-C」のモデルは2世代前くらいから採用されています。
機種名 | USBの規格 |
Speed Wi-Fi NEXT W06 | USB2.0 Type-C |
Speed Wi-Fi NEXT W05 | USB2.0 Type-C |
Speed Wi-Fi NEXT W04 | USB3.0 Type-C |
Speed Wi-Fi NEXT WX05 | USB2.0 Type-C |
Speed Wi-Fi NEXT WX04 | USB2.0 Type-C |
それらの端末を使っていた方は、W06でも利用することができます。
W04に付属のUSBケーブルだけなぜか「USB3.0」に対応しています。
その後のモデルはコスト削減のためか「USB2.0」になっているようです。
上のモデルより古い機種は、USBが、Androidのスマホでよく使われている「micro USB」なので、W06では充電できません。
W06はW05、W04のクレードルで代用できる
W06にはクレードルがありませんが、「どうしてもクレードルを充電台として使いたい」という方もいるでしょう。
実はW06は、同じファーウェイ社製の「W05」「W04」のクレードルを使うことができます。
もともと形も近いので、W06を挿し込めばきれいにハマってくれます。
どうしても充電台としてクレードルがほしいという方は、ネットショップなどで「W05」「W04」のクレードルを購入するといいでしょう。
クレードルを代用してもLANケーブルでインターネット接続はできない
W06は「W05」と「W04」のクレードルならサイズが近いので、代わりとして使うことができます。
しかしLANケーブルを使ってインターネット接続はできないので注意しましょう。
旧モデルのクレードルにはW06のドライバがインストールされていません。
充電だけならできますが、LANケーブルを繋いでもケーブルを認識しないので、データの転送はできません。
W06に旧モデルのクレードルを買ってもLANケーブルは使えません。
「WiMAXルーターにPS4を有線接続して使いたい」という方もいると思いますが、その場合は「WX05」を使いましょう。
W06にクレードルを使う時はあくまで「充電台」として使いましょう。
W06のクレードルまとめ
- W06はUSBで有線接続できる
- W06の付属のケーブルは「USB2.0」
- W05、W04のクレードルで代用できる
- ただし、LANケーブルで有線接続はできない
W06のクレードルがなくなった理由や、代りに有線接続する方法を解説していきました。
W06は、クレードルがなくてもUSBで接続できるので問題ありません。
W06に付属のケーブルは「USB2.0」なので、最大通信速度に対応していません。
通信速度を少しでも上げたい方は「USB3.0」のケーブルを購入して使いましょう。
クレードルがどうしても必要な方はW05やW04のクレードルで代用できます。
ただしできるのは充電だけで、LANケーブルを使って有線接続はできないので注意しましょう。
W06については「WiMAXの最新機種W06を徹底解説!WX05と比較した違いは?」でも詳しく解説しています。
WiMAXの端末をどれにしようか検討している方はぜひご覧ください。