- WiMAXの周波数っていくつ?
- WiMAXとキャリアの電波の違いは?
- そもそも周波数が変わると何が変わるの?
わたし達の周りには、WiMAXやポケットWiFiなど多くの無線通信が利用されています。
無線にはそれぞれ周波数帯が割り当てられていて、周波数帯によって特徴が大きく変わります。
この記事ではネットワーク機器の販売を行っていた経験を元にWiMAXの周波数の特徴や、キャリアの周波数との違いを解説しています。
できるだけわかりやすく解説しているので、WiMAXの周波数について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
この記事の目次
WiMAXの周波数と帯域
WiMAXの周波数は2.5GHz帯が使われています。
具体的にはWiMAXの周波数は、2,595~2,645MGHzまでの50MGHz分となります。
WiMAXのサービス開始時は、2,595~2,625MGzの30MGHz分しかありませんでした。
その後、周波数帯の新規割当を受け、2,595~2,645MGHzまでの50MGHz分の周波数が利用できるようになりました。
周波数帯が50MGHzになったことで始まったサービスが、現在の「WiMAX2+」です。
現在は2020年3月末にサービスが終了する「WiMAX」が10MGHz、「WiMAX2+」が40MGHzの周波数帯を利用しています。
「WiMAX」がサービス終了すると「WiMAX2+」が50MGz分を全て利用するようになります。
どうしてWiMAXの周波数は2.5GHzなの?
WiMAXは実は6GHz以下の周波数帯であれば利用することができます。
それでは、どうして2.5GHzの周波数帯を利用しているのでしょうか。
1つ目の理由が、WiMAXは6GHz以下で利用できますが、「2.5GHz帯」「3.5GHz帯」「 5.8GHz帯」での利用が推奨されているためです。
そして、2つ目の理由は2.5GHzの周波数帯を利用できる免許をWiMAXの回線元である「UQコミュニケーションズ」が取得できたためです。
電波は周波数帯に限りがあるため、誰でも好きに利用できるわけではありません。
電波干渉を防ぐなどの目的から利用できる周波数帯が決まっていて、利用するには国の認可を受けた免許が必要となります。
日本では2.5GHzの空き周波数帯を割り当てる時に4社が免許を申請したのですが、2社分の空きしかありませんでした。
審査の結果、総務省の認定を受けることができたのが、「UQコミュニケーションズ(WiMAX)」と「ウィルコム(PHS)」でした。
もしこの時「UQコミュニケーションズ」が認可されていなかったら、日本でWiMAXはここまで普及しなかったかもしれませんね。
WiMAXの周波数帯とキャリアの周波数帯との比較
WiMAXは2.5GHz帯の周波数を利用していますが、ドコモ、au、ソフトバンクのキャリア回線も周波数が同じように割り当てられています。
キャリアによって利用する周波数帯に違いはありますが、簡単にまとめると以下のようになります。
- 700~900Mbps:つながりやすい周波数帯。通称プラチナバンド
- 1.5GHz:主に実験で使われている
- 1.7GHz:東名阪で使われる高速通信の周波数帯
- 2.0~2.1GHz:メインで使われる周波数帯
- 3.5GHz:キャリアアグリゲーション専用の周波数帯
キャリアは複数の周波数帯が利用でき、「2.0~2.1GHz」の周波数帯がメインに使われています。
そしてメインの周波数帯が届かない範囲をつながりやす700~900MHz(プラチナバンド)でカバーしたり、高速通信をするために他の周波数帯を組み合わせて利用しています。
WiMAXの周波数の特徴
WiMAXは2.5GHzの周波数帯を利用しています。
電波はどの周波数帯でも同じというわけではなく、利用する周波数帯によって通信の特性が大きく変化します。
電波は周波数帯が高くなると、電波が強くなり一度に多くのデータを送ることができます。
しかし減衰が大きくなり届く距離が短くなったり、直進して進むため回り込みが弱く、障害物に遮られやすいという特徴を持っています。
WiMAXは2.5GHzの高めの周波数帯を利用しているので通信速度はキャリアより速くなりますが、その分届く範囲が狭くなってしまいます。
キャリアは、700~900MGHzの「プラチナバンド」と呼ばれる低周波数帯を利用しているので、メインの周波数帯が届かない場所や障害物が多い地域でも電波を拾うことができます。
「WiMAXが地下や室内で繋がりにくくなる」といわれることがありますが、これはWiMAXの電波の特性上ある程度仕方のないことです。
UQコミュニケーションズは対策として、アンテナの数を増やしたり、地下や室内に中継器を設置することで、電波の届く範囲を広げています。
例えば現在は、ほぼすべての地下鉄でWiMAXが利用できるようになっています。
関連記事:WiMAXは地下鉄で繋がる?繋がらない時の3つの対処方法
現在もエリアを拡大中なので、今後も利用できるエリアは増えていくでしょう。
またWiMAXは、auのLTEを使うことができるので、WiMAXが届かないエリアをカバーすることができます。
関連記事:ハイスピードプラスエリアモードとは?特徴や3つの注意点を解説!
WiMAXとWiFiの周波数帯の違いについて
WiMAXと同じように、WiFi(無線LAN)にも周波数帯があります。
WiFiの周波数帯は主に「2.4GHz」と「5GHz」の2つです。
WiFiには「60GHz」という高周波数帯も登場しましたが、現在は普及しておらずほぼ使われていません。
WiMAXとWiFiの周波数帯
- WiMAX:2.5GHz
- WiFi:2.4GHz、5GHz
WiMAXは基地局からルーターまでつなぐインターネット回線のことです。
そしてWiFiはルーターからスマホやタブレットなどの端末を繋ぐ無線LANのことです。
関連記事:WiMAXとは?WiFiの違いやメリット・デメリットを徹底解説!
WiFiの周波数の特徴
WiFiは主に「2.4GHz」と「5GHz」が使われていますが、WiMAXと同じように周波数帯が違うため、それぞれに特徴があります。
メリット | デメリット | |
2.4GHz | 障害物に強く繋がりやすい | 通信速度が遅い WIFi以外にも使われているので、他の電波と干渉しやすい |
5GHz | 通信速度が速い WiFi以外で使われていないので、電波干渉が起こりにくい |
障害物に弱い |
2.4GHzは、5GHzに比べて障害物に強いのが特徴です。
しかしWiFi以外にも、電子レンジやブルートゥース、医療機器などに使われているため電波干渉が起こりやすく、通信速度が低下しやすい周波数帯でもあります。
5GHzは2.4GHzに比べて、通信速度が速く、WIFi以外ではほとんど使われていないため電波干渉が起こりにくいという特徴があります。
5GHzは直進性が高いので障害物に弱いですが、WiMAXなどのモバイルルーターを利用する時は、すぐ近くにスマホとルーターがあるのであまり気にする必要はありません。
WiFiは初期設定で2.4GHzになっていることがほとんどです。
もし通信速度が遅いと感じたらWIFiを「5GHz」に変更すれば、通信速度が改善する可能性があるので試してみるといいでしょう。
関連記事:WiMAXの速度が遅い。原因と対処方法を詳しく紹介!
WiMAXとWiFiは全くの別物なので区別しよう
WiMAXとWiFiは全くの別物なので注意しましょう。
WiMAXとWiFiの周波数帯
- WiMAX:2.5GHz
- WiFi:2.4GHz、5GHz
WiMAXとWiFiの周波数帯を混同しているサイトもありますが、間違っています。
残念ですがそのようなサイトは、記事を書いたライターや監修者にインターネットに関する基本的な知識がなく、WiMAXとWiFiの区別がついていないことを表しています。
キャンペーン情報などは更新が早いため、記事の更新が追いつかず古くなってしまうのは仕方ないことですが、基本的な情報が、間違っているならすぐに修正するべきです。
サイトによっては、誤った情報が掲載されていることもあるため注意しましょう。
WiMAXの周波数まとめ
- WiMAXの周波数は2.5GHz帯
- キャリアの周波数は2.0~2.1GHz帯がメイン
- WiFiの周波数帯は2.4GHzと5GHz
- WiMAXとWiFiは全くの別物
WiMAXは2,595~2,645MGHzまでの50MGHz分の周波数が使われています。
利用する周波数帯が高いので、キャリアに比べるとカバーできるエリアが狭くなりますが、通信速度は速くなります。
WiMAXは今後もエリアを拡大していく予定で、地下鉄などでも利用できるようになっています。
無制限で利用できるおすすめのポケットWiFiは以下の記事にまとめてあります。
WiMAXを含めたポケットWiFiをまとめてあるので、ポケットWiFiを探している人はぜひご覧ください。