クラウドWiFiをご存知ですか?
最近ポケットWiFiは、クラウドSIMを使った「クラウドWiFi」が勢いを増しています。
- クラウドWiFiってなに?
- どんなメリットがあるの?
- 注意する点はある?
この記事では、「クラウドWiFiって何?」と思っている方のためにクラウドWiFiの特徴や注意点をわかりやすくまとめています。
クラウドWiFiを全く知らない方でもこの記事を読んでいただければ、クラウドWiFiのことがわかりますのでぜひご覧ください。
この記事の目次
クラウドWiFiとは
クラウドWiFiは、次世代技術「クラウドSIM」を使ったポケットWiFiのことです。
代表的なクラウドWiFiには「どんなときもWiFi」があります。
従来のモバイルルーターは端末本体に通信キャリアの「SIMカード」を差すことで情報を読み取り、対応したキャリアのインターネットが利用できるようになります。
対してクラウドSIMは、インターネットに接続する情報を本体のSIMカードではなく、クラウドサーバー上から読み取ります。
従来のSIMカードは本体に差してあるSIMカードからインターネットに接続するための情報を読み取りますが、クラウドSIMはクラウド上で管理している複数のSIMカードの情報を、本体に入っているSIMカードに紐付けて利用しています。
- SIMカード:SIMカード本体に情報が入っている
- クラウドSIM:クラウドサーバー上にあるSIMカードの情報を紐付けて使う
クラウドSIMは、空のSIMにクラウドからデータを読み込ませることで、その場で最適なSIMカードを選んでいるんですね。
SIMカードはキャリア(通信会社)が誰がどれくらいのデータ量を使っているのかを識別するためのものです。
識別できれば、識別データの保存先がSIMカード本体(ハードウェア)でもクラウドSIM(ソフトウェア)でも問題ありません。
このようなクラウドSIMを使ったポケットWiFiは、従来のポケットWiFiと区別するために「クラウドWiFi」と呼ばれています。
具体的にはグローカルネットのクラウドSIM内臓のモバイルルーターを使ったポケットWiFiが、クラウドWiFiに分類されます。
メモ
クラウドWiFiの説明をみると「端末にSIMカードが入っていない」と書いてあることが多いですが、厳密にはクラウドWiFiの端末にもSIMカードが入っています。
クラウドSIMは端末の電源をいれると、利用者の位置情報を読み取り、クラウド上の複数のSIMカードからその場に最適なSIMカードの情報を紐付けてインターネットに接続する仕組みとなっています。
クラウドWiFiの特徴
クラウドWiFiはクラウドSIMを使うことで、複数のSIMカードを自動で使い分けることができます。
そのため従来のポケットWiFiにはない特徴やメリットがあります。
- 完全無制限で使える
- 複数のキャリアの回線が利用できる
- 海外でも利用できる
それらのメリットを詳しく解説していきますね。
完全無制限で使える
クラウドWiFiの大きな特徴は、完全無制限で使えるという点です。
従来のポケットWiFiは、データ量の上限や短期間の速度制限があるサービスしかありませんでした。
- 月間データ量を超えると速度制限
- 1日2~3Gを超えると速度制限
- 3日間10Gを超えると速度制限
「無制限で使える」と宣伝しているポケットWiFiもありますが。使いすぎると回線側の判断で速度制限にかけられてしまいので実際は完全無制限ではありません。
実際は100~200Gあたりで速度制限にかかり、翌月まで使えなくなってしまいます。
対してクラウドWiFiは完全無制限で利用できます。
理由は単純でクラウドSIMは、SIMカードの情報がクラウド上にあるので簡単に入れ替えれることができるからです。
利用者に複数のSIMカードを割り当てることで、使いすぎて回線側の判断で速度制限にかけれらてしまっても、SIMカードを自動で入れ替えて速度制限を回避することができます。
従来のポケットWiFiはSIMカードが本体に差さっているので、SIMカードに交換するのが難しかったのですが、クラウドSIMならデータ上で管理しているのでSIMカードを簡単に交換できます。
そのため利用者は回線側の速度制限を回避して完全無制限で利用できます。
複数のキャリア回線が利用できる
クラウドWiFiは大手携帯会社「ドコモ」、「au」、「ソフトバンク」の回線を使うことができます。
従来のポケットWiFiは、SIMカードが対応している1つの通信会社のエリアでしか使うことができません。
そのため場所によっては繋がりにくかったり電波が届かないということがありました。
クラウドSIMは複数のSIMカードを用意しているので、電波の受信強度や通信速度からその時に最適な回線を選んで自動で接続してくれます。
トリプルキャリアの回線が使用できるので、利用できるエリアがポケットWiFiの中でもっとも広く安定して通信を行うことができます。
通信が安定しやすいので、特に山間部の繋がりにくい場所で利用するのに便利ですね。
海外でも利用できる
クラウドWiFiは、国内だけでなく海外のSIMにも対応しているので、端末を海外に持っていけばそのままインターネットを使うことができます。
電源を入れるだけで、アメリカに行けばアメリカの通信会社、ドイツに行けばドイツの通信回線に自動的に接続してくれるので、手続き不要で海外でインターネットが利用できます。
海外向けレンタルWiFiのように、ポケットWiFiをレンタルする手続きが必要がないので手軽に利用できます。
料金は1日ごとにかかりますが電源を入れた日だけ料金が発生するので、必要ない日は電源を切っておくこともできます。
利用できる国や料金は利用するクラウドWiFiによって変わります。
料金はすごい安いというわけではありませんが、大手キャリアの海外ローミングよりは安くなっています。
手続き不要で気軽に利用できるので、短期の海外旅行や出張で必要なときだけ電源をいれて使うのがおすすめです。
クラウドWiFiのデメリット
次にクラウドWiFiのデメリットや注意点を紹介します。
2年間の契約期間がある
クラウドWiFiは「どんなときもWiFi」を始め国内向けのサービスが増えてきましたが、どれも原則として2年間の契約期間があります。
ポケットWiFi | 契約期間 |
どんなときもWiFi | 2年間 |
MUGEN WiFi | 2年間 |
hi-ho GoGo Wi-Fi | 2年間 |
めっちゃWiFi | 2年間 |
クラウドWiFiはルーターをレンタルして利用するレンタルWiFiが多いです。
モバイルルーターをレンタルして使う「レンタルWiFi」は契約期間がないのが大きな特徴ですが、クラウドWiFiの場合契約期間があるので、契約期間に関しては従来のポケットWiFiと違いはありません。
クラウドWiFiは2年間の契約中に途中解約すると解約金が発生するので、短期の利用にはあまり向いていません。
クラウドWiFiを利用するなら2年間の利用を前提に申し込みをしましょう。
端末の性能は高くない
クラウドSIMを搭載しているモバイルルーターは種類が少ないため、クラウドWiFiで使われている端末はどれも同じ製品が使われていますが、クラウドWIFiで使われる端末はルーター自体の性能はあまり高くありません。
もっとも多く使われているのが、グローカルネットの「U2s(D2)」ですが、下り最大150Mbpsと最大通信速度国内向けのモバイルルーターと比較するとかなリ遅いです。
WiMAXは最大通信速度1,237Mbpsとなっているので、通信速度には8倍以上の差があります。
- クラウドWiFi:150Mbps
- WiMAX:1,237Mbps
- ワイモバイル:972Mbps
またWiFiの通信規格も「11n」と新しくないので、「ビームフォーミング」などの通信速度を速めるための通信技術を使うことができません。
実際の通信速度はそこまでの差はありませんしLTE回線なので通信が安定しますが、クラウドWiFiの端末のスペックは決して高くはないです。
代表的なクラウドWiFi
どんなときもWiFi
- 月額3,480円と安い
- 口座振替ができる
- 2年間の契約期間あり
どんなときもWiFiは、2019年3月にスタートしたクラウドWiFiです。
「月額3,480円で完全無制限で使える」という今までのポケットWiFiにないサービス内容から人気を集め、一時期は注文が殺到して端末が在庫切れになり、端末の入荷待ちの状態が続いていました。
どんなときもWiFiがサービス開始した後に、次々とクラウドWiFiが登場しましたが、ほとんどはどんなときもWiFiのサービス内容と非常に似通っています。
いち早くクラウドWiFiのサービスを開始したどんなときもWiFiは「クラウドWiFi」の先駆けというべきポケットWiFiです。
クラウドWiFiのまとめ
- 完全無制限で使える
- トリプルキャリアに対応
- 海外でも使える
- 2年間の契約期間がある
クラウドWiFiは次世代技術の「クラウドSIM」を使った新しいタイプのポケットWiFiです。
「完全無制限」「トリプルキャリアに対応」「海外でも使える」といった従来のポケットWiFiにはない特徴を持っています。
料金も月額3,500円程度と安いので、誰にでもおすすめできるポケットWiFiとなっています。
完全無制限で使えるので、速度制限に悩まされている方や大容量でデータを使いたい方に特におすすめです。
ポケットWiFi選びに悩んでいる方はクラウドWiFiも検討してみるといいですよ。